「読書習慣」の差が、 国語力のスタートラインを変える!?

中間テストが終わりました。

保護者の皆様、お疲れさまでした。

特に初めての定期テストを迎えた中学1年生は、何をどうしていいのかわからない部分が多かったのではないでしょうか。

これから少しずつ自分の勉強方法を見つけていってほしいと思います。

さて、本日は読解力のお話を。

「うちの子、本を読まないけれど、国語はそれなりにできているから大丈夫かな…?」

こんなふうに感じたことはありませんか?

実際、「読書をしていない=国語ができない」というわけではありません。

テストで点を取るだけなら、読書量が少なくても工夫次第で何とかなることもあります。

しかし注目すべきは、 「文章に向き合う力」や「理解の深さ」といった、国語の基礎体力とも言える部分 です。

そして、ここで読書経験のある子とそうでない子の差が、思っている以上に大きく現れてくるのです。

 

実際に小・中学生を指導している中で、「読書習慣のない子」によく見られる特徴があります。それが次のような点です。

◯5分以上集中して文章を読めない

最初の1〜2段落はなんとか読めても、その後は気が散ってしまい、文章を追うのが辛くなる子がいます。読み飛ばしが多く、設問に関係する大事な部分も見落としがちです。こうした集中力は、毎日コツコツ本を読む習慣のある子ほど自然と身につけています。

◯登場人物が3人以上になると混乱する

物語文では登場人物の関係性を正しく把握することが重要ですが、読書経験が少ないと、会話文の主語が誰なのか分からなくなったり、視点の切り替わりに対応できなかったりするケースが多いです。日ごろから物語を読むことで、自然と“流れ”を追う力が養われていきます。

◯文体に慣れておらず、読みづらさを感じる

「この文章、なんか読みにくい…」という子は少なくありません。物語文の地の文や、説明文での論理的なつながりなど、読書を通してさまざまな文体に触れている子ほど、読みやすく感じる文章の幅が広いのです。逆に経験の少ない子は、書き言葉に慣れず、内容が頭に入ってきにくいのです。

 

国語のテストで問われるのは、単なる知識やテクニックではなく、「読み解く力」と「考える力」です。

読書はその力を自然に伸ばしてくれる最高のトレーニング です。

読書経験が豊富な子は、文章の展開を予測したり、言葉の裏にある気持ちを読み取ったりといった“深読み”が自然とできるようになります。

これはまさに、学校や入試で問われる力に直結しています。

一方で、読書経験が少ない子がそれらの力を身につけるには、どうしても時間がかかります。

文章に慣れていないぶん、「読めるようになるまで」「意味をつかめるようになるまで」に多くのトレーニングが必要になるからです。

本を読む習慣は、一朝一夕では身につきません

「じゃあ、うちの子も本を読ませたほうがいい?」

もちろん、読書は習慣として取り入れられるに越したことはありません。

ただし注意したいのは、 「読みなさい」と言っただけでは、子どもは読みません 。

むしろ逆効果になることさえあります。大切なのは、読書が「楽しい」と感じられる環境づくりです。

・子どもが興味を持ちそうなジャンルの本をさりげなく置く

・親が楽しそうに本を読んでいる姿を見せる

・読み聞かせを続けてみる

・漫画や図鑑、ライトノベルからでも始めてみる

入り口は何でもいいのです。

「読んでみたら面白かった」「続きを知りたい」――そんな小さな成功体験が、読書習慣の第一歩となります。

 

国語力は、すべての教科の土台です。

読書習慣はその国語力の「スタートライン」を高めてくれる、大切な要素だと考えています。

「読書をしていないからダメ」なのではなく、

「読書している子と同じスタートラインに立つには、工夫と時間が必要」。

そんな視点で、お子さんの読書との付き合い方を見直してみませんか?

ご家庭での声かけや読書環境づくりについても、いつでもご相談くださいね。

 

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